「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、器、石油ストーブ、思いもよらぬモノ、など多数品揃え。商品の入荷案内を中心に古いものにまつわる話あれこれ綴ります…。猫を連れてのご来店大歓迎です。
漆器の手入れ
「漆器は扱い方がわからないから・・・」

「漆器は扱いが面倒だから・・・」

「漆器は高級だから・・・」


以上のような理由で、漆器を毛嫌いする人も多いようです。当店の「漆器まつり」開催前にもよく来ていただくお客様には事前にお知らせしておいたのですが、同じような理由で消極的な意見が多かったのです。当店は古道具屋ですから漆器製造の流通や業界には全く関わりがありません。その立場にあるからこそ今回はひとつの提案をしています。


コンビニエンスストアの台頭により食器を使わないで食事を済ませる人が増えていることは事実ですが、ほとんどの日本人はお米を食べるための椀と味噌汁を飲むための椀とお箸、の3つは自分専用のものを持っている人がほとんどでしょう。100均のお店で揃えれば300円で済む話です。その3つともに漆器のものを使っている人は少ないかもしれませんが、少なくとも汁椀だけは漆器を使っている、という人が多いのではないでしょうか?


RIMG0228.jpg
そこで今回当店の「漆器まつり」では、「布着せ本堅地、輪島塗の無地の黒い椀」を4デザイン計40個ご用意しております。価格はどれでも一客800円也。

いずれも明治大正期の古いものですが、天然木の椀に丁寧な下地を施した上に天然の漆を塗った輪島塗りのお椀です。現在製造されているものなら一客が1万円はします。漆塗り製品の中でも最も堅牢だといわれる本堅地(ほんかたじ)は、約25の工程を経て約1年かかって作られます。お椀ひとつが1万円、高いと思うかもしれませんがそれだけ手間暇のかかったものですから当然の値段です。

現在では食生活の多様化に伴い漆器の需要は低迷しています。そうなるともちろん古道具市場においても日常用の漆器類の価格はとても安価に取引されています。売る側も、漆器は今売れないよ?と口をそろえて言います。しかしそれは売る側の怠慢も大いにあるのだと思っています。現行品を無理に低価格で販売するのは製品の質にしわ寄せがきますが、古いものならばホンモノでも安価に手に入れることができます。ほんものを実際に使うことでわかることは多いのです。騙されたと思って、この輪島塗のお椀を1年間使ってみて欲しいと思います。最初に上げた漆器に関するイメージが本当かどうかがわかります。そしてその良さがわかったら、ぜひとも今現在ホンモノの漆器作りをしているひとからその商品を買っていただきたいと思っています。

RIMG0232.jpg

RIMG0233.jpg

RIMG0231.jpg

大きさ、形は4種で若干異なります。できれば2種をお求めいただき「飯椀と汁椀」として使ってもらえればと思います。

RIMG0051_20101214165046.jpg
2客あれば、蓋になっているものを平椀として使えば全部で4つの椀になります。つまり、これだけで1汁2菜の食事ができます。一番大きな器に白いご飯、2番目にお味噌汁、平椀にお漬物と菜っ葉の煮たの…はもちろんのこと、今日は豚汁がメインだという日は、一番大きな器に汁を盛ってもよいでしょう。かしこまった茶懐石でもなし、アイスクリームやチョコレートを盛っても良いですし何より自由に楽しんで欲しいと思います。


ホンモノの漆器は丈夫です。ただし現代生活では「丈夫」ということを、雑な扱いに耐えるという意味での「頑丈さ」とはき違えている人も多いのです。大事に扱えば長い年月美しさを保ちます。ここでいう「大事に扱う」というのは、「ハレモノに触るように扱う」というのとも異なります。かといって「気軽に使ってほしい」というのを「粗雑に扱っても大丈夫」と解釈するのも間違っています。



そこで「漆器の扱い方」として個人的に提案するのは、普通に使うことです。スポンジに洗剤をつけてキレイに洗ってください。そのまま自然乾燥する、というのでもまあよいでしょう。最後は他の食器と同じでフキンで水気を拭って食器棚に戻します。何も特別なことは必要ありません。逆にそんなことでは物足りない、もっときちんとお手入れしたい。というのであれば、しっかり洗ってすすぎはぬるま湯で、水気を切ったら柔らなフキンで拭きあげ、最後は絹の布で磨くとよいでしょう。うっとりするほど艶がでます。今回「漆器まつり」期間中にお求めいただいたお客様には磨き上げ用の絹布を差し上げております。数に限りがございますのでお早めにどうぞ…
関連記事
page top
Copyright © 「古道具のささや」. all rights reserved. ページの先頭へ