石油ストーブ比較「パーフェクション」編

おしゃれなインテリアを紹介する類の雑誌には、必ずといってよいほど掲載されています、「パーフェクションオイルヒーター」。もともとは米国冷暖房専門メーカー、ハップ社の製品で1960年前後にはアメリカ製をそのまま輸入販売していたようですが、70年前後には一部部品を林製作所が制作した日本製パーフェクションが販売されるようになったようです。

当店で通常取り扱っているのは、胴体がガラスのもの、いわゆる750型デラックスというタイプですが、以前にも入荷したガラスではない覗き窓のごく小さな730型スタンダードというものもあります。また、天板がドーム型に盛りあがったものはそのあとの年代に作られたもので黄色っぽい色味のハーベストも人気があります。


さて、おしゃれな外観で女性に人気のストーブですが、当店では石油ストーブを初めて使うという方にはお勧めしておりません。理由としては、正常燃焼の見分けがしづらいことと、煤が出やすいためです。

パーフェクションという名前の通り、取り扱いがきわめて簡単だというのがウリですが、神経質な日本人にとってはとてもパーフェクト!とは言い難い仕様だと思います。たしかにホコリ取りなどのお掃除はアラジンほど頻繁にしなくとも大丈夫です。点火時に手早く数か所に火をつけ、すばやく蓋をします。このときに若干の煤(すす)が出ます。のろのろしていると、結構な量の煤が出ます。オークションなどでガラス筒が真っ黒になっている個体をよく見かけますが、使用時のちょっとしたコツを飲みこまないと煤地獄です。点火後は煤が出ていない燃焼状態であることを確認しましょう。アラジンの青い炎のように視認することは難しいですので、におい、煤、の具合で判断をします。

また、上がフラットなタイプだとヤカンを乗せたくなりますね?塗装が傷つかないようにそっと乗せるのは構いませんが、吹きこぼれには要注意です。如何に強化ガラスといえど、一瞬でパキッとヒビが入ってしまうことがあります。ヤカンいっぱいには水を入れないなど用心が必要です。

パーフェクションのタンク容量 2.6リットル
アラジンのタンク容量     4.1リットル

パーフェクションの燃焼時間  6?7時間
アラジンの燃焼時間      15時間

パーフェクションの熱量(あたたかさ) 2750キロカロリー
アラジンの熱量            2140キロカロリー
ニッセン(大型タイプ)の熱量     6000キロカロリー


以上のように、パーフェクションはタンク容量が少ないので、頻繁に給油が必要です。そのかわり、タンクが取り外し持ち運べるので給油自体は楽です。暖かさも、アラジンよりは少し暖かいですが、ニッセンの太陽のような暖かさにはかないません。初めの一台はアラジンを使ってみて、石油ストーブの快適さに魅了されたひとが2台目、3台目にパーフェクションを選ぶ人が多く、上級者向けストーブといえます。







現在店頭にあるパーフェクションは2台。
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750型デラックス。

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傷つきやすい天板にも目立つはがれは無し。

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アメリカンストーブなのでガラスはやはりパイレックス製。ドイツのルフトなどはやはりショット社。

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銀色の部分には若干の錆あり。

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持ち手部分にも錆あり。

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このタンクは制作年代が新しいものなので、アラジンと同じで制作年に比例してプラスチック部品が増えます。







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ガラス越しに見える炎が暖炉のようで贅沢な気分になれます。おなじく750型デラックス。

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傷みやすい天板も大きな塗装のはがれなく美品。

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シルバーの部分も錆なく美品。

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持ち手も美品。

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パーフェクションの一番の利点はタンクが取り外しできること。こちらは古いほうのタンクなので、ブリキ製でつまみも金属製。

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この色、質感は工業系古道具が好きな方には魅力的なはず。



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