「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、器、石油ストーブ、思いもよらぬモノ、など多数品揃え。商品の入荷案内を中心に古いものにまつわる話あれこれ綴ります…。猫を連れてのご来店大歓迎です。
音叉時計入荷
音叉(おんさ)時計というものをご存じでしょうか?

音叉とは、音高を知るための道具で一本の細長い鋼をU字型に曲げて中央に柄をつけたものです。軽く打てば純恩に近い音を発するので、楽器や合唱の音合わせ、音響実験などに使われる道具です。

今日ご紹介しますJECOの掛け時計は、その音叉の小さなものが機械内部に入っていて、その振動で動きます。しかし、その存在はあまり知られていません。その理由を、時代の流れを追って見ていきますと…

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時計といえば、むかしは手でゼンマイを巻く、振り子時計。

クラシカルな雰囲気と音、1週間に1回はゼンマイを巻かなければならないという手間のかかる時計ですが、その手間をかけるという行為自体に魅力を感じる人にはお勧めの時計です。

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そして振り子を軽量、小型化したのがテンプ時計。ヒゲゼンマイというバネを使うことでテンプが振り子と同じく一定周期で回転、振動。より精度が向上しました。

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この船時計もテンプ時計です。


時代の工業化の流れにのってトランジスタ時計が登場。クラシカルな振り子の存在は保ちつつも、電池ひとつで1年以上は動いてくれるという時計ですが、いかんせん時間の精度はイマイチ。夏と冬(気温差)で針の進み具合が変わります。まだまだその辺は御愛嬌と思える寛容な人にはお勧めの時計です。

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一見、振り子時計のようですが文字盤にゼンマイを巻く穴がありません。時計自体の素材や配色もモダーンな印象のものが多いです。よく言うトランジスタとは何なのかといいますと、ゲルマニウム、ケイ素などの半導体の接合を利用して増幅、発振、スイッチングの作用を行う素子のことです。何のことやらわかりませんが、要は電気式になったということです。これは画期的なことでした。



そして1960年代に登場したのが今回入荷した音叉時計
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JECOといえば、車好きの方はご存じの方もいらっしゃるでしょう。もともとは1952年に日本真空時計株式会社として設立、 1955年には 日本電気時計株式会社に社名変更し、現在はジェコー株式会社となっています。しかし、1980年代になると水晶振動子のクォーツ時計が急速なコストダウンで廉価になり市場を席巻しました。音叉時計はそれまでの機械式、トランジスタをしのぐ精度を誇りましたが、クォーツの台頭によりわずか十数年ほどしか製造されませんでした。

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クールな外見に隠されたその独特の構造と、わずかな期間しか作られなかった希少性が。何でも他人とはひと味違ったものを求めるこだわり派の男性にお勧めの時計です。
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