「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、時計、ガラス製品など多数品揃え。石油機器技術管理士の店主が石油ストーブの整備・修理も承ります。猫を連れてのご来店大歓迎です。
DATE: 2010/04/26(月)   CATEGORY: 雑文
香蘭社と深川製磁
第2回和食器まつり、好評開催中でございます。遠方からお越しのお客様には、香蘭社や深川製磁を初めて目にする方、磁器食器自体が普段馴染みがないという方も多くいらっしゃいましたので僭越ながら少々補足をしたいと思います。


そもそもの陶器と磁器のちがいは…
陶器は「土もの」と言われるように分厚く温かみのある見るからに土で出来た焼きものです。対して磁器は「石もの」、陶石つまり石で出来ているので薄手で軽く硬いです。少々乱暴に扱ったとしても欠けることはありません。日常使いの器として優れています。全国的に見てみると陶器の産地のほうが圧倒的に多いです。福岡に住んでいると日常の食器がほとんど磁器であることに何の疑問も持ちませんが、実は珍しいことだと思います。


そして、わたくしども庶民はふつうに「有田焼」と申しますけれども、有田で焼かれたモノを有田焼、伊万里で焼かれたものを伊万里焼などと称しております。しかしこれはごく最近のことで、明治以前はすべてが「伊万里」もしくは「伊万里焼」と呼びます。骨董好きの人なんかに有田焼!というとそんなもんあるか!と言われます。この呼称の認識の違いは「福岡」と「博多」の場合に似ています。当人はすごくこだわるんだけど、はたから見るとどっちでもいいような気がすると思います。

そして江戸期に焼かれた「伊万里」を現在では「古伊万里」と称します。その中でも江戸初期に作られたものが「初期伊万里」と呼ばれて珍重されています。検索すればたくさんサイトがありますので興味のある方はそちらへ。

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一般的に「古伊万里」と言うと、こんなものを想像しますが、これは「古伊万里様式」と呼ばれることが多いものです。ただしこれは明治に入ってからのモノなので古伊万里の仲間には入れてもらえないのです。どう呼ぼうと勝手だと思いますが、問題なのはやはりニセモノでしょうね。ネットオークションで何でも買えると思っている人もいらっしゃるでしょうから下記サイトを参考になさったほうがいいかもしれません。

日本贋作古伊万里撲滅委員会http://2nd.geocities.jp/gansakubokumetu/index.html





そして明治維新ののち数ある窯元の中で明治8年の万国博覧会での受賞で注目を浴びたのが「香蘭社」です。明治29年には宮内庁御用達ともなっています。深川製磁はここから派生したものです。この2社は高い品質とともに古伊万里の意匠を洋食器などにアレンジしたりと現在の有田焼の礎ともなっています。

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この蘭の花を模したマークが「香蘭社」

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富士山に流水のマークが「深川製磁」

ともに年代によりマークもいろいろ変わっていますが、現行品はともに「マーク+社名」となっています。




というわけで以上、簡単な補足ですが少しはお役に立ちましたでしょうか? 今回の和食器まつりでは、古伊万里のような骨董的価値があるわけではない日常の器として、安価に買える明治から昭和半ばにかけての上質な香蘭社や深川製磁をおすすめしております。
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