「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、器、石油ストーブ、思いもよらぬモノ、など多数品揃え。商品の入荷案内を中心に古いものにまつわる話あれこれ綴ります…。猫を連れてのご来店大歓迎です。
DATE: 2010/04/22(木)   CATEGORY: 雑文
「おしゃれな古道具」の落とし穴


当店は「おしゃれな古道具屋」ではありません。



お洒落さというのは要は意外性であると思っています。ここ数年のおしゃれな古道具というものの走りになったのは、センスの良い女性コーディネーターの方がこぎれいな部屋に古い木製家具などを配置して見せた雑誌だと思うのですが、ここから古い木製家具はかわいいという構図ができあがったのでしょう。ただし古い小引き出しやガラスケースはそれ自体がカワイイという性質のものではなく、若い人が古い家具を使うという対比が新鮮で面白く洒落ていると感じたのだと思います。

そうしたおしゃれ雑誌のスタイリングと同じものを探すために古道具屋や骨董市などを探しまわった人は、一通りそれら欲しいものが揃い冷静になって家の中を見回してみたときに、これっておばあちゃんの家? と茫然とした人も多いのではないでしょうか。

一方、築年数の古い家で古い家具や雑貨類に囲まれつつ、おしゃれに暮しを楽しんでいる人もたくさんおられます。そうした人は、古ければ何でもいいというのではなくそのもの自体の品質の良さがわかる人です。一時の流行で「おしゃれな古い木製家具」を買ってしまった人は今頃、なんでこんなものをお金を出して買ってしまったのだろう…と思っている人もいるかもしれません。骨董市で満面の笑みを浮かべ、肥桶(糞尿を運ぶ桶ですよ)を担いで持ち帰る若い女性を見かけたこともあります。たしかに古い木製の道具には違いないんですけどね。



そもそも「古道具がおしゃれ」なのではなく、「質の良い古道具をその人らしく使いこなした生活」というのがお洒落なのです。



雑誌に載っているのと同じモノが欲しい、とか友達が持っているものと同じものが欲しいというのではなく、素材の良し悪し、作りの良し悪し、本当に自分が好きかどうか、モノときちんと向き合ってお買い物した人はこれからも飽きることなく良い古道具と暮らしていけるでしょう。良い古道具は飽きがきません。一緒にくらすとともに成長があり、大事な暮しの一部になってくれます。どうかみなさま「おしゃれな古道具」の落とし穴に落ちないよう、いや落ちたとしてもその衝撃で目を覚まして自分の好きなものを見つめ直し穴から這い上がって自分だけの古道具道に邁進していただきたいと願っています。



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