「古道具のささや」
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DATE: 2010/03/29(月)   CATEGORY: 雑文
「白木屋の火事」のウソ
今現在、着物を着ている人の何割がパンツを履いているんでしょうねぇ?



日本の女性が着物で生活していたころ、パンツは履いていなかったわけですが、履くようになったきっかけというのが、「昭和7年の東京日本橋の白木屋百貨店の火事」ということになっている。和服の女性は当時、みなパンツを履いていなかったために裾の乱れを気にして飛び降りることができずに火事で亡くなったと。これをきっかけに和服の女性もパンツを履くようになりましたとさ。と、いろんなところでまことしやかに言われ、書かれている。

ふーん、そんなものか。とわたしも思っていた。が、井上章一さんの「パンツが見える」という本によると、白木屋の火災で亡くなった従業員の大部分の死因は間違いなく飛び降りたことによるものである、という。「裾を気にして躊躇して飛び降りられなかった」ということは無い、という調査結果。ただ、火事の後に記者会見した白木屋の幹部が、「いざ飛び下りなければならないという時に下着をつけていないと躊躇することもあるだろうから、これから女子従業員には下着をつけさせたい」というようなことを話したそうである。その後、現実にいわゆるズロースが広まっていった、というのが事実のようである。


普段に着物を着ない場合は着物の下着についてご存じない方も多いと思うが、パンツを履かない場合は裾よけのしたに通称湯文字、お腰、などと呼ばれる下着をつける。これは一番肌に近いところに身につけるわけですが、ひざ上のミニ裾よけのようなものである。これで骨盤を閉めるようにキュキュッと巻いてその上に裾よけをつける。丈が短いために、常に太ももにまつわりつくようになっているので、そう簡単にはめくれ上がらない。おまけにその上に裾よけ、襦袢、着物、を着ているわけである。スカート一枚の女性のほうがはるかにおしり丸見えの状態になりやすいと思う。



ちなみにわたしも和服着用時はパンツを履いていないが、飛行機などでもしものときの袋状の滑り台のような非難具を使うと考えたときに、躊躇なく滑り降りる自信がある。白木屋の火事がきっかけとなってパンツの着用が進められるようになったことには間違いはないが、それは女性側の思いがきっかけだったわけではなく、むしろ百貨店側の消費の拡大という意向があるのではないか。という三砂ちづるさんの意見を支持したい。
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