「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、器、石油ストーブ、思いもよらぬモノ、など多数品揃え。商品の入荷案内を中心に古いものにまつわる話あれこれ綴ります…。猫を連れてのご来店大歓迎です。
DATE: 2009/07/14(火)   CATEGORY: 雑文
怖い話
昨日寝るときに台所の温度計で31℃。今日の朝起きたときに見ても31℃。こんなに暑い時には古道具屋らしくエコに涼しくなろう、というわけで怖い話。

100年経つと物にも魂が宿るなんてことを昔の人はいいました。妖怪なんてほとんどその系統でしょう。古いものを扱っていると、たまに嫌な感じのするものがあります。なぜだかわからないけど何となく嫌。なるだけ手元に置いておきたくない気がする物・・・それはその物を所有していた人の強い執着が残っているんじゃないかと思うときがあります。まあ全く気にしないという人もたくさんいるでしょうけど、以下はとある古い着物好きの人の話。







そのひと仮にAさんとしましょう。Aさんは一時期ひどく着物にはまっていたそうで、それはもう本当に着物に憑かれたように骨董市へ行っては古い着物や帯などを買いあさっていたそうです。着物仲間数人と出かけたある骨董市で、黒い地色に赤の椿の花が刺繍してある素敵な帯を見つけました。とても個性的な帯だけど刺繍もとてもよくできているし汚れなどもなく状態もいい。一目ぼれでしたがやはり気になるのはお値段。お店の人に恐る恐る聞いてみると、拍子抜けするほど安い値段を提示されたそうです。意外に思ったものの即決で購入。

その後は決まって着物仲間と自宅でお茶を飲みながらその日の戦利品の品評会。それぞれの買ったものをほめたりコーディネートを提案したりした中でもAさんの買った椿の帯が皆の話題を集めました。刺繍も見事だし、何より「椿」の柄だから冬の間長く締めることができていいよね、という話でした。そして大事に畳んで箪笥の中へ。

それからしばらくその帯のことは忘れていたそうです。忙しく過ごすうちに年末にきもの友達と集まって食事をしようということになり、そうだ、あの椿の帯を締めようと思ったそうなのです。そして当日着物を着て帯を箪笥から出し、締め始めてみると・・・柄が違うのです。椿の帯、と思っていたその帯の柄が菊の柄になっていたのです。なんだか背筋がゾッとしました。まじまじと帯をひっくり返してみても菊の刺繍。椿などどこにもないのです。なんだか空恐ろしくなってその日は別の帯をしめて行ったそうです。

そして後日その帯を以前に品評会をした時のメンバーである友人に見てもらったところ、その子も「やっぱり違う。地色はそのままだけどあの時は椿だった、その場にいた数人が確認したので間違いはない」と。なんだか薄気味悪いね…と言いながらその友達は帰って行ったそうです。







信じる信じないは別として、個人的には、特に着物は女の執着心の塊のようなものですからそんな妙なことが起きてもおかしくないのかもしれないと思います。ちなみにAさんはやっぱり気味が悪くなりその帯は手放したそうです。その帯がめぐりめぐって自分の箪笥に・・・と思ったらやっぱり怖いです。少しは涼しくなりましたでしょうか?
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