「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、器、石油ストーブ、思いもよらぬモノ、など多数品揃え。商品の入荷案内を中心に古いものにまつわる話あれこれ綴ります…。猫を連れてのご来店大歓迎です。
石油ストーブ修理の実例、その1。
石油ストーブの修理や整備は規格がないので、やり方もひとそれぞれ、どの辺りまで綺麗にするかも業者によって判断は分かれると思います。よって先日修理で承りましたアラジンストーブの38型を例に取り、弊店でのストーブ整備についてご説明したいと思います。

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お預かりした時の状態が、これ。ハンドルが壊れて芯が上がらないので点火も不可能。内部には煤も付着。持ち主の方はまず、大手家電量販店へ連絡したところ、メーカー修理になるといわれて預けたそうなのですが、結果メーカーが修理不可能でそのまま戻ってきたということでした。

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ハンドルが空回りするのは内部のプラスチック部品が割れているからなのですが、これと同じ38型の部品は現在製造されていません。現行品の39型の部品で代替すれば済む話なのですが、メーカーは改造に当たるとして拒否したのかもしれませんね。ちなみに、このプラスチックの経年劣化による破損は38型のみに顕著に見られるもので、37型などそれ以前のものは同じプラスチックでもこのようなハンドル欠損の事例はほとんど見られません。これは38型から必須になった耐震消火装置の負荷による影響だと思われます。また39型の部品には内部に金属が入っているので耐久性が上がっています。

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芯回りも黒く汚れています。マイカも傷んで中が見えづらい状態。肝心の芯は、古くなって黄色くなった灯油をむっちり吸い込んでいます。

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分解して外せる部品は全部外して業務用の洗剤で綺麗に洗います。埃の詰まりやすい通気孔も綺麗にブラシで洗います。

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タンク内は水を入れてしまうと完全に乾かすことが不可能なため、灯油で洗います。綺麗な灯油を入れて専用の蛇腹のブラシでゴシゴシ洗います。で、中から出てきた汚れが右の写真。この黒いカスのようなものが詰まって綺麗な燃焼を妨げます。補足ですが、マンションのベランダに給油ポンプをさしたまま保管している灯油タンクには雨水が混入している可能性があります。灯油は屋内保管、シーズンオフになったら残りは廃棄するか全部使い切りましょう。

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よくよく見ていただくとわかりますが、澄んだ灯油の底に黒っぽく溜まっているものが水です。長年使っていないストーブが正常燃焼しないという場合は大抵、タンク内の水が原因です。溜まっているゴミが出なくなるまで繰り返しタンク内を洗います。(ご自分でやってみようと思う方、汚れた灯油は流しに捨てたりせずタンクに貯めてガソリンスタンドに引き取ってもらうようにしてください)

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アラジンのこの隙間を掃除するために作ってもらった工具で綺麗に拭き上げます。


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左整備前、右整備後。煤が取れるとすっきりピカピカ。

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おなじく左整備前、右整備後。芯は新しいものにつけ変えます。

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ハンドルは39型の部品を装着して、マイカは新しいものに入れ替えます。

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これで出来上がり。正常燃焼です。


今回のアラジン38型の修理および整備の場合、料金は8900円です。基本の整備料とハンドル部品、マイカ2枚、芯の料金を含めての合計になります。どうぞご参考くださいませ…


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