「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、器、石油ストーブ、思いもよらぬモノ、など多数品揃え。商品の入荷案内を中心に古いものにまつわる話あれこれ綴ります…。猫を連れてのご来店大歓迎です。
「漆器の手入れ」について
第2回「漆器まつり」も予想以上の盛況で、初日と2日目で約150名のお客様にご来店いただきました。とても寒く足元も悪い中お越しくださいましたお客様に感謝申し上げます。初日に混雑していてゆっくり選べなかったという方も12月18日(日)まで開催しておりますので是非またお立ち寄りくださいませ。

また、店頭でお問い合わせの多かった「漆器のお手入れ」についてですが、通常の食器と同様にお使いいただいて結構です。電子レンジには入れないことと、たわしなど堅いものでこすらないこと、に気をつけてどうぞ末永くお使いくださいませ。可能ならば、すすぎは熱めのお湯で行い、水気が切れたらフキンで拭き、最後に絹布で拭き上げるとベストです。



以下、店内商品のご案内をしてまいりたいと思いますが、すでに完売している商品もございます。なお、本日ご紹介するものはすべて本物の漆器(素地が天然木で塗りが天然漆)です。合成漆器は含みません。


まずは、輪島塗(石川県)から。
RIMG0139_20111213153842.jpg RIMG0140_20111213153842.jpg
まずは、輪島塗から。黒地に赤く牡丹が彫り込んである4段重箱。

4段をいっぺんに使うのはお正月くらいです。一番上の蓋は同柄で2枚付いているので、普段のお花見や運動会などには2段使いで出番が増えます。

RIMG0144_20111213153841.jpg
同シリーズで、角盆、茶卓、蓋付湯呑、丸皿、角皿があります。

RIMG0145_20111213153841.jpg
お湯呑の内側は、白漆で塗られています。白い漆を見たことがないというひとは戸惑うようですが、漆は顔料を混ぜるとどんな色にでもなります。とても凝ったものです。茶卓と蓋付湯呑のセットで1客1000円。

漆器はもともと森林資源の豊富な地域で必然に生まれた産品ですので国土面積の約3分の2が森林の日本では全国に点在して漆塗りの産地があります。その中でも最も知名度の高いのが「輪島塗」ですね。輪島塗の真骨頂は、丈夫で長持ち、という点につきます。その秘密は見えない下地にあります。「大極上 布着せ 本堅地」などと記載されたものがありますが、布着せというのは、お椀の縁などに補強のため布を張ります。本堅地というのは工程の名称ですが、輪島では下地に地の粉や砥の粉を混ぜたものを塗ります。堅牢さの証です。

RIMG0146_20111213153840.jpg RIMG0285.jpg
左の写真は丸皿、角皿ともに輪島塗です。そして右の写真のものは、越前塗(福井県)です。全く同じ柄ですね。漆器には知的財産権のようなものは存在しないんですかね?そのほかにも重箱など輪島特有の絵付けを模したものはたくさんあります。

そして似ているだけならまだしも、越前漆器のほうは、素地がフェノール樹脂、塗りが天然漆です。見ただけではほとんどわかりませんね。テーブルなどに置いたときの音で素地が天然木かプラスチックかはすぐにわかります。プラスチックのほうはどうしてもうるさい音がします。




RIMG0141_20111213162526.jpg RIMG0142_20111213162521.jpg RIMG0143_20111213162521.jpg
「朱の沈金松輪島塗4段重箱」側面に4段にわたって彫られた松が緻密で美しいです。これも替え蓋付ですので2段がふたつ、としても使えます。25000円也。


RIMG0147_20111213162520.jpg RIMG0148_20111213162520.jpg
「朱沈金松竹梅輪島塗屠蘇器」全部セットで3000円也。残念ながら銚子の持ち手金具のカバーがひとつ欠品です。ご使用には差し支えありません。






RIMG0193_20111213163507.jpg
堅牢さを最も発揮する日常使いには、布着本堅地の「輪島塗無地黒椀」
RIMG0195_20111213163506.jpg
平たいお椀と、深めのお椀。各800円。
RIMG0196_20111213163506.jpg RIMG0197_20111213163505.jpg
蓋がないほうが使い良い、という方には5枚入れ子になるセット、1000円也。うっすらつや消しのような「花塗」という技法で塗られた椀ですが、使えば使うほど「底艶(そこづや)」がでます。



そのほか、輪島塗以外のものもセットでのご用意があります。ホンモノの漆器を使ったことがないという方にもおすすめのセットです。特に椀の種類や名称にこだわらず好きなように使ってもらいたいです。

RIMG0263_20111213164941.jpg RIMG0265_20111213164941.jpg
愛媛県桜井の長井時松謹製の6点セット、800円。博覧会協新会品評賞牌受領、とあります。随分と豪勢な肩書ですが、しっとりとした塗肌のとても品質の良いものです。

RIMG0261_20111213164940.jpg RIMG0266_20111213164940.jpg
本堅地、柴村製造の總真黒塗り椀8点セット、(器の内側にやけが見られるので)400円。明治後期のものです。精品。

RIMG0267_20111213164939.jpg RIMG0268_20111213164939.jpg
本堅地の内朱黒椀10点セット、1000円。赤と黒の対比と美しい艶の椀です。お猪口もついているので毎日晩酌する人に最適。





漆器って何?というひとでもお味噌汁をガラスや陶器の椀に入れて飲む人は少ないでしょう。漆器の中でも最も身近なお椀も各種。一般的なお椀では足りないという若い方はひと回り大きな煮物椀を使っても良いと思います。美しい蒔絵のお椀は外国の方へのプレゼントにも喜ばれます。

RIMG0155_20111213170655.jpg RIMG0156_20111213170655.jpg RIMG0157_20111213170654.jpg
「布着本堅地の羊歯紋沈金明月椀」700円也。未使用品です。

溜塗の茶と黒の2色で構成され、縁起物の羊歯(しだ)文様が沈金で施されたとても上質な椀です。椀に角のある作りの物を明月椀(めいげつわん)と呼びますが、角がないほうが作りやすいわけで、あえて角を作る手間暇、というのがこの椀の良さです。

RIMG0160_20111213170654.jpg RIMG0162_20111213170653.jpg
古宝漆器の本堅地「稲穂椀」内側に若干やけがあるので、300円。稲穂の蒔絵はフクフクして素晴らしいものです。

RIMG0166_20111213171726.jpg RIMG0167_20111213171726.jpg RIMG0168_20111213171725.jpg
布着せ本堅地の「帆船に鳥の漆絵椀」400円也。未使用品です。

華美ではないですが、よく見ると大変に凝った作りです。うるしに顔料を混ぜて絵を描いたものを「漆絵(うるしえ)」と言います。上質な物を是非毎日の食卓に…

RIMG0169_20111213171725.jpg RIMG0170_20111213171724.jpg
本堅地の「流水に桜の沈金椀」400円也。輪島風の作りですが断定はできません。優美な形の椀です。

RIMG0178_20111213173600.jpg RIMG0179_20111213173600.jpg
布着せ本堅地の「松に鳥沈金椀」800円也。未使用品です。黒が深くとても質の良いものです。



RIMG0151_20111213173559.jpg RIMG0149_20111213173559.jpg
菊に唐草のような全体に蒔絵の入った豪勢な椀100円と蝶の蒔絵椀200円。
RIMG0152_20111213173558.jpg
艶のある朱に桜の花びらの金蒔絵椀。

RIMG0269_20111213173558.jpg
朱色には限りなくバリエーションがあります。
RIMG0270_20111213173628.jpg RIMG0272_20111213173626.jpg RIMG0271_20111213173627.jpg
左から梅、桜、葵の文様。古典文様は美しいです。たとえば着物なら、これらの美しい意匠を身にまとうことができます。洋服にはない素晴らしさだと思います。

RIMG0158_20111213175137.jpg RIMG0159_20111213175136.jpg
「漆絵銀杏椀」200円也。金、銀、茶で銀杏の葉が描いてあるモダンデザインです。

RIMG0340.jpg
「菊蒔絵椀」かなり古いものです。古典の美。


蓋なしが良い方にはこちら。

RIMG0222_20111213175134.jpg RIMG0223_20111213175155.jpg
あえて木目を浮き立出せるように塗ってある朱塗り椀。


RIMG0226_20111213175135.jpg RIMG0227_20111213175135.jpg
会津の相田漆工、明漆会に所属する相田啓介作の朱塗り椀。

○○塗と称して売ってある漆器でも、プラスチック素地のうるしを使わない漆器が量産される時代に危機感を覚えた漆工たちが1964年に「明漆会」を結成しました。木も漆も年々質が落ちるといいます。漆をはじめ、いろいろな素材の不足は一時的な現象ではなく、工業化してゆく社木の必然的な帰結であることを踏まえ、何時までも使える日常生活の道具としての漆器作りを目指す団体です。真摯に漆器を作る人もいれば金もうけのためにニセモノを作る人もいる。今、食品の安全が問われるのと同じく知らなかったでは済まされないことです。安価なニセモノも、売れなければ作る人もいなくなるでしょう。消費者の選択は大きな力になります。

関連記事
page top
Copyright © 「古道具のささや」. all rights reserved. ページの先頭へ