年末年始営業日のお知らせ

たくさんのお客様に支えられて今年も一年間、頑張ることができました。ご来店くださいましたたくさんのお客様に心より感謝いたします。個人的には、結局はあの原発事故以来、あのどうしようもなくなってしまった壊れた原発を抱えて生きて行く国民として、衣食住すべてにおいて物事を選択することに大きな責任が伴うようになってしまったと感じています。残りの人生、先を見据えてしっかりと生ききりたいです。

12月25日(火)から1月7日(月)まで
お正月休みを頂戴します。



年始は1月8日(火)の14時から営業いたします。
皆様もどうぞ良いお年をお迎えくださいませ…


また今年はFacebookページを始めた年でもあります。今月は一年の締めくくりとして、昭和45年のサントリーオールド、通称ダルマのウイスキーを抽選で1名様にプレゼントします。よく、古いウイスキーはおいしいと言いますが、時の力がどれほどのものかどうぞお試しくださいませ…やっぱり年寄りは大事にしないと!来年1月7日の午前0時まで受付中ですのでご興味のあるかたは、いいね!でご応募くださいませ。→お年玉プレゼント

大入御礼

おかげさまで今年も無事に第3回「漆器まつり」を終了することができました。寒い中、足をお運びくださいました皆様、誠にありがとうございました。今年は他県からのお客様も多く、わたくしが店番をしているおりに、「ブログ書いてる人ですよね!」などのお声かけをいただきまして誠にうれしく思います。

弊店は古道具屋ですから、合成漆器はデッドストックのものがほとんどですが、木製漆器の方は幕末から明治、大正、昭和のものが主です。

お椀ひとつとってみても古いものは圧倒的に高度な技術で作られています。木地自体も縁に行くにしたがってかなり薄く挽いてありますし、同じ椀でもひとつひとつの柄がのびのびと描かれ、すべて少しずつ異なります。一方、近年の椀になると木地は均等に厚く挽いたものが多く、5つ組でも寸分違わずプリントのような絵付けがしてあります。きれいにそろった完璧な商品を求める消費者のニーズによるのでしょう。

また、古い輪島塗の椀などは、まれに椀の底にちりめん皺のようなものが寄っていることがあります。漆が渇く際に縮んだものですが、これは漆が濃く強いということの証でもあります。昨今のコスト優先の油で薄めた中国製の安価な漆では、このようなことにはなりません。新品と比較すれば難点ともとれる部分ですが、古いものの証を趣として楽しんでいただければと思います。


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白いご飯は、黒漆塗り椀で食べるのが一番おいしいと確信しています。より多くの皆様の食卓に漆器が並びますように!


商品紹介

そのほか、もろもろの商品の紹介をしておきます。

木製漆器のお椀各種、すべて1客からのバラ売りです…
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これ、あっという間に売れてしまったのですが、10客揃いのお椀で蓋の蒔絵がすべて柄違いでした。非常に贅沢なお椀です。600円也。

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えび茶色の明月椀。角がある椀は作りづらいのです。あえて角があるというのは手間暇かかったよいお椀の目安でもあります。牡丹の金蒔絵入り。200円也。

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昭和30年ごろの輪島塗。木地も非常に薄く高い技術が伺えます。伸びやかな流水に細やかな花弁の菊が蓋の裏と表に両方入っています。椀をキャンバスとして余白を生かした絵画的な柄付けが美しい椀です。輪島塗の下地方法「布着せ本堅地」の布も通常は木綿布、上等なものは麻布、ですがこの椀は麻布を使ってあります。1200円也。

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沈金で松竹梅が施された輪島塗の椀。椀の内側は朱塗りで華やかさがあり、お正月にもってこいのお椀です。500円也。

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これはかなり古いものですが、とても薄い木地です。これだけ薄く挽くのは現在では不可能なのではないかと思います。蓋にはカメが2匹、裏に繊細な松に鶴。見えないところの方に凝っている小粋な柄付けの椀です。200円也。

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量感ある菊に流水の蒔絵椀。菊文様が椀から半分だけのぞいていますが、家紋の「覗き○○」のようにチラ見せデザインは古典でもあります。

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松に宝船の明月椀。椀の見込みは黒塗で、全体も下塗りは黒ですので根来の趣が味わえます。

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沈金の千鳥椀。たっぷり厚みのある上塗りは使い込むほどに底艶がでます。300円也。

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一見外側は無地の黒椀。蓋の裏だけに蒔絵で波千鳥。

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仙台通宝の蒔絵が絢爛に輝く黒塗り椀。お金持ちになったような錯覚に陥ります…300円也。








そのほかの漆製品も…

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お櫃(ひつ)としゃもじのセット。

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秋野棗。金蒔絵と象眼で秋野七草を表した優美な棗です。12000円也。

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竹に雀の変わり重箱。4段ですが15センチほどの小振りなものです。大正ごろのものでやはりこの頃のものは随分と遊び心があるというか凝ったつくりで古い漆器の醍醐味でもあります。

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会津塗特有の消金地に花魁が描かれた木盃。つや消しのような明るい金色に日本酒を入れるとどんなに美しいでしょう。底で微笑む花魁を見ていると早く酔いそうです…

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和紙に漆を塗ったコースター。素地が紙なので、グラスを置いてもあたりが柔らかく使い心地がよいです。水にも強い漆ならではのものです。

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圧倒的な存在感の、義太夫節の見台。あまりに豪華で皆笑いますけど、竹に雀の蒔絵が見事です。

邦楽ではジャンルごとに使う道具も異なりますが、文楽でおなじみの義太夫節でつかう譜面台です。ちなみに文楽はことし大変に話題に上ったのでご存知のかたも多いと思いますが、浄瑠璃のうちのひとつです。浄瑠璃とは三味線の伴奏で物語を語る(あれは唄っているでのではなく語っているのです)音楽のうちのひとつですが、現在では人形浄瑠璃の義太夫節が代表的な存在となり、浄瑠璃ということばがそのまま義太夫節の異名ともなっています。









そして、合成漆器コーナー。

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素地がABS樹脂の5枚組皿。合成漆器ならではの塗料の色!カラフルな色と松竹梅の絶妙なマッチングです。合成漆器ならではの製品なので純粋にかわいいです。

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資生堂の花椿倶楽部のノベルティ、高台寺風蒔絵あわせ鏡。桃山時代を代表する高台寺蒔絵を取り入れた古典的な合わせ鏡です。実用性だけを追いかけない余裕のある時代でした…デッドストック。

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美しい菩提樹の葉が蒔絵で描かれています…が、中身はアドレス帳。山本寛斎のKANSAI URUSHIだそうです。以前から思うのですが、なぜ日本の洋服のデザイナーが贈答用の漆器や陶磁器のデザインをするんですかね?デザイナーズ漆器は、結婚式の引き出物にいただいてもとても困ります。

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素地が樹脂の屠蘇器セットも100円からご用意。お正月にお店や屋外のイベントなどで使うといってお求めになるかたが多いです。不特定多数の人が使うなら樹脂製のほうが気兼ねなく使えるのでいいですね。そのほか、樹脂製の重箱などもお料理好きのかたに人気があります。自慢の料理をちょっとお裾分け、といったときに透明のタッパーウェアよりも見栄えがしますし、そのまま差し上げてしまっても負担になりません。



というわけで、新旧ないまぜになった古道具屋ならではの商品構成で今週末12月16日(日)まで漆器まつり開催中です。少し早いお正月気分をお楽しみくださいませ…

産地別の漆器

日本には全国的に漆器産地がありますが、今年の「漆器まつり」で入荷している商品の中から、特色のあるものについてご紹介しておきます。すでにお買い上げくださいましたかたも参考にしていただけましたら幸いです。


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大振りな根来(ねごろ)の雑煮椀。

黒漆の中塗りの上に朱漆で上塗りを施した木製の器物を一般的に「根来塗」と称しています。使い込むうちに自然に摩耗して朱の下から黒が出てくるところが趣があってよろしいということでお茶席などで珍重されます。和歌山県の根来寺が発祥だという説があることから、紀州漆器に多く見られるデザインでもあります。経年を省いて最初からまだらに塗ってあるものが販売されているのも昨今の性急な日本人を象徴しているなぁと思います。

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昭和40年代の紀州塗の大鉢。様々な使い方でなんとか日本人の食卓からはじき出されぬように、との苦悶が伺えます。素地は天然木加工品、塗は漆。ところで最近の漆器の素地に木合とか天然木突板と書いてあるのを見ますが、言葉の響きからしてなんとなく天然木に近いような印象を受けるのは私だけでしょうか?以前主流だったフェノールなどのカタカナ文字や合成という文字が意図的に排除されていると思います。ちなみに木合は、フェノール樹脂45%、木粉55%程度の成型品です。








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福井県の南、鯖江市の河和田地区を中心に生産される越前(えちぜん)漆器の菊水椀。以前は河和田(かわた)漆器と呼びました。

この地の漆器の歴史は古く、京都から蒔絵、輪島から沈金といったほかの地域からの技術も取りこみながら発展してきた産地です。越前漆器の特徴は、「渋下地」(しぶしたじ)にあります。輪島の本堅地には及びませんが、柿渋に炭粉を混ぜたものを繰り返し塗る下地方法で行程が少ない割に堅牢だとされます。そして上塗りは、花塗(はなぬり)です。ほかのものと比べてもまるで合成塗料のような艶感がありますが、油分を含んだ漆を塗り研ぎださない塗り方ですので漆特有の光沢が得られます。手で塗るものですから、このように刷毛目さえもないように塗るには非常に熟練を要します。が、かえって合成漆器のような完璧さに近づいてしまい、漆器に興味のないかたには勘違いされてしまいます…









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島根県松江市および出雲市特産の八雲塗の文箱と茶托。

八雲塗(やくもぬり)は、明治19年ごろに漆工の坂田平一(平市)氏が考案した比較的新しい漆工芸です。色漆を使って絵画的に描いた牡丹が独特のものです。上塗りは透漆(飴色半透明の漆)に少量の蝋色(呂色)漆を混ぜることで非常に落ち着いた油彩画のような雰囲気があります。あまり若い人好みではないとおもいますが、非常に手間ひまのかかった素晴らしい工芸品です。






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福岡の人にはおなじみの籃胎(らんたい)漆器。おばあちゃん家で見たことある、という人も多いでしょう。竹を編んだものを素地とするのが特徴の漆器です。固くて伸びのよい真竹を様々に手編みした竹籠を、十数回も漆で塗り固め、さらに朴炭、鹿角粉で巧妙に研磨したもので普通の漆器には到底及ばない堅牢優雅な味わい…というのがウリでしたがそれも昔の話。現在売られているもののほとんどが中国を主とする東南アジア製で、久留米で作られているものもカシューおよび合成塗料となっています。
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ちなみに左はカシュー塗料、右は漆の籃胎漆器。やはりカシューは本物の漆の堅牢さには敵いませんし、見た目の艶も漆の方が自然な光沢で美しいです。あまつさえ、合成塗料は明かりの下でギラギラと白く照り返すばかりで下品な輝きです。




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福島県の会津漆器の盃。

第4回財団法人結核予防会全国支部長大会福島県支部、のセットもの。しかも真ん中の盃にはこけし!ということでキワモノと思いがちですが、そこは歴史ある会津塗の底力。会津塗は400年以上の歴史をもち朱塗りの木盃と会津消蒔絵(あいづけしまきえ)がこの地方独特のものです。この、こけし盃は両方の技法を存分に生かしている素晴らしい工芸品なのです!会津消蒔絵とは、非常に細かい金粉を使う蒔絵の技法で独特の明るい金色が特徴です。

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同じく会津塗の鉄線小引き出し。

会津塗のもうひとつの特徴が先ほどもでました「花塗」。非常に光沢のある仕上がりで美しいです。最近の定番柄でこの鉄線模様のシリーズは丸盆など百貨店で取り扱いがあります。色漆と青貝の象眼を施した手の込んだ作りです。が、…この小引き出し、上塗りは漆でなくカシュー塗料です。あのカシューナッツから採れる油分を使った合成樹脂塗料ですが、漆に似た光沢を持ちます。お椀と違って口にあたるものでなし、コスト面から鑑みるとこれで上等、と思うか否か。売れる製品を作らなければない現在の職人さんの苦労やいかに…

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またまた会津塗の銘々皿。

素地は樹脂です。上塗りは漆。色漆で野菜の柄が可愛らしく描かれています。上塗りが漆であれば、素地が何であろうと「漆器」と称して問題ないのです。まあ一般消費社はそこまで気にしてないでしょうし…コストを下げるために樹脂の素地を使っている訳ですからもちろん下地の行程も省いてあることがほとんどです。ちょっと落としたりぶつけたりで塗がはがれやすいのは否めません。一番憂慮するのは、そういった商品を漆器だと思って使った人が「なんだ、漆器ってすぐダメになるんだ」と思ってしまうことです。








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輪島塗と同じく石川県を代表する山中漆器の菓子器。

合成漆器の一大産地として名を馳せる山中漆器ですが、きちんとしたものももちろんあります。挽きものを得意とし筋引きの製品も特徴的ですが、この菓子器も木目を生かした透漆仕上げの部分と、花塗で艶よく塗られた蓋とのコントラストが美しく、蓋の朱塗りの部分には金蒔絵が上品に施されています。








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金沢箔が施された室町菓子皿、2枚組。

共箱の通産大臣指定という文字が見るからにいかがわしいのですが、やはり。金箔の横半分、漆塗りとおぼしき部分はウレタン塗装です。見事に伝統工芸品としてのスピリットが抜け落ちたハリボテ商品と言えるでしょう。一見して非常に豪華ですのでわかった上でお客様用の菓子皿などにするには申し分ないと思います。






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弊店の漆器まつりではおなじみの琉球漆器。沖縄へ行ったことがあるかたはお土産屋さんなどでご覧になったことがあるでしょう。全国の百貨店などではほとんど取り扱いがありません。

沖縄はもちろんのこと、戦時中に強制疎開した技術者の方々が宮崎や鹿児島で制作したものもあります。一番の特徴は下地にブタの血を使う「豚血下地」で、上塗りの朱は一般的な朱塗りの調合量の倍以上の朱を入れるため鮮烈な紅色です。また漆自体にたくさんの油を加えるので、本州では乾燥できないそうです。また独特の堆錦(ついきん)と呼ばれる盛り上がった加飾も個性的です。伊勢エビの椀は戦前のものですが、近年のものにはない細やかさがあります。





以上、おおまかに産地のわかる漆器をご紹介して参りましたが、今週末12月16日(日)まで第3回「漆器まつり」開催中でございます。どうぞ御立ちよりくださいませ…

なぜ「輪島塗」が良いのか?

個人的にも最も好きな「輪島塗」ですが、値段も高い。なぜ輪島塗だけがそんなに有名で高価なのか?

ちなみに「うるし」はアジア圏でしか採れないのですが、日本にはウルシノキが全国に分布しています。明治頃までは全国いたるところで国産漆が生産されていたのです。ということは、全国で漆器が作られていたということです。それが淘汰され現在は地域色を生かした産地別の○○塗り、○○漆器、という名称がついています。そのうちのひとつが石川県の輪島塗です。

輪島塗のよさを一言でいうなら、堅牢優美。その秘密は下地にあります。素地の木に「布着せ」という行程が入ります。傷みやすい角の部分などに補強のために木綿布や麻布を貼ります。そのほか、約36もの行程を踏んで「本堅地」という下地を施します。では輪島塗以外の漆器はどうなのかと言うと、本堅地を必須としてはいません。本堅地以外にも下地の方法は様々あります。見えない部分ですからコストを省くには最も有効な部分です。
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左は輪島の極上本堅地の判。包みの和紙に捺印があります。大抵は作った職人さんのフルネームも書かれています。自信の現れですね。右は輪島塗ではありませんが、各産地で塗師がそれぞれ工夫を凝らした下地を施していることが伺えます。

一番手間もコストもかかる本堅地で統一したことでブランドとしての価値を落とさなかったというのが輪島塗の強みでしょう。同じ県内に山中漆器がありますが、こちらは対照的に量産化の波に乗り合成漆器を主に作っています。全国的に百貨店で比較的安価に売られているのでご存知のかたも多いと思います。しかしそのような売り方ではやはり頭打ちになるのは必然ですから、良心的な生産者のかたがJOYマークと言うのを付けて本物の山中漆器を販売しています。

安価に作ることに重きを置かず技術を守ってきた輪島塗製品は本当に素晴らしいです。かつては本堅地の膳、椀などは一年がかりで作ったといいます。全国を地道に行商で受注販売したため、この博多の地でも蔵から出てくるのは輪島塗の漆器がとても多いのです。では、今回の漆器まつりでご用意している輪島塗り製品をご紹介して参ります。



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朱塗りの輪島塗屠蘇器。銚子はふたつです。輪島塗を代表する加飾方法、「沈金」で松竹梅が描かれています。濡れたようなとろみと艶のある塗は、大極上と呼ぶにふさわしいものです。セットで18,000円。


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輪島塗朱塗りの沈金で松の4段重箱は2種類あります。おなじ朱ですが色味も大きさも若干異なります。別の塗師の作なので絵柄の具合も異なります。


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輪島塗の黒地に牡丹沈朱の重箱。黒と赤の対比が印象的ですが非常に上品な柄付けです。この牡丹柄は非常に多用されるモチーフで銘々皿や茶托、蓋付お湯のみ、茶櫃もお揃いのものがあります。モチーフ自体は越前漆器などでも用いられますが、漆の質からいっても輪島塗のほうが格段に上質です。

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こちらはベークライト製ですが、おなじモチーフを使っています。かなり深い雑煮椀で具の多い地方の雑煮にはもってこいです。このように上塗の施されていない漆器風の器は、塗が剥がれるということもなく、もちろん丈夫ですのでわかっていて使う分には非常に便利だと思います。

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輪島塗の三方(さんぽう)。神道で神饌、つまりお供え物をのせるための台です。ため息の出るほどの美しい塗です。5,000円也。


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全くの無地の輪島塗の角盆。


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輪島塗の紅葉漆絵椀。
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同じく輪島塗の松漆絵椀。黒と朱の漆器を見慣れているかたには、緑や白などの模様が入っていると、???とお思いになるかたもいらっしゃると思います。漆はもともと無色透明ですから様々な顔料をいれることで思う色を作ることができます。最近では輪島塗の白い重箱などが百貨店で売られていますね。40万くらいしますけど…



一見してその価値がわかりづらい漆器ではありますが、輪島塗はやはり別格です。見るからに漆の美しさと気品が感じられます。これはひとえに「良い漆」にこだわった結果だと思います。

個人的にも気に入れば百貨店でお椀を買うこともあるのですが、もう何年も使っている大正時代のお椀のほうが艶が良いと感じることがあります。漆の質が落ちているんですね。本当に良い漆は使えば使うほど艶が増してきます。内側から光るような感じです。ところが質の悪い漆は曇ってくるんですね。丁寧に使い込んだとしてもだんだんと艶が落ちてくる。これはまた使わなければわからない問題ですが、今まで使ってきた中でも輪島塗のお椀は良い漆を使ってあるなぁと実感しています。今年は輪島塗の黒無地椀を300円からご用意しておりますので、まだの方は是非、輪島塗のよさをお試しくださいませ…