「古道具のささや」
福岡市中央区平尾の古道具屋です。antiqueからvintageまで、日本の古道具、家具、器、石油ストーブ、思いもよらぬモノ、など多数品揃え。商品の入荷案内を中心に古いものにまつわる話あれこれ綴ります…。猫を連れてのご来店大歓迎です。
トヨトミRAINBOW!
もうそろそろ石油ストーブのシーズンも終わり…寒いのは苦手なので、今月末の寒波が最後であってほしいです。


先日、はじめて実物にお目にかかったストーブがあります。

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トヨトミのRAINBOW RB-2。対流式ですがアラジンなどと比べると、とてもコンパクトなストーブです。1980年製で、デッドストックではありませんがとても良い状態で保管されていました。点火コイル付きで楽に点火できますし、耐震消火装置も付いているので安全面でも安心です。木造家屋でしたら4畳半から6畳のお部屋向けでしょう。軽くて持ち運びも楽なので、屋外の倉庫などでも使いやすいと思います。

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点火するとこんな感じ。写真ではよくわからないので電気を消しますと…

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見事なレインボー。芯ではなく周りのガラス筒に秘密があるようです。

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U.S.Aマークと説明表記が全て英語なので米国へ輸出されていたものと思われます。



そんなに珍しいストーブではありませんが、弊店で取り扱うのははじめてです。見目麗しく良いストーブだと思います。トヨトミは現在でもモデルチェンジしながら安価で使いやすいストーブを生産しているので良い会社ですね。このレインボーも汎用芯が合いますのでまだまだ使えます。実物のレインボーを見た人はみな歓声をあげます。気になる方はどうぞ店頭にてご覧くださいませ…
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サンエムストーブ。
ちょっと珍しい石油ストーブが入ってきましたので載せておきます。2012年の過去記事以来ですので5年ぶりですね。MMM(サンエム)ストーブです。


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サンエム興業株式会社のSC-A2チェリー型。過去記事の分はSC-A3型だったので少し構造が異なります。対流型ですが、放射式になります。背面に反射板が付いていますので、ある程度壁面に寄せても大丈夫です。反射式と対流型の良いとこ取りストーブです。


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ちなみにこのサンエムストーブの良いところは、天板がたっぷり広いこと。大鍋で煮炊きするには最適です。火力の強い対流式のアラジンなどは、本来はやかんを乗せるのさえも推奨していないし、天板が狭く鍋を乗せて煮炊きするには火力が強すぎて向きません。一方、反射式のストーブは火のあたりが柔らかく長時間かけて調理できるので、お豆さんを炊いたりするのに最適です。


ただし現在廃盤になっているだけあって、デメリット部分もあります。整備士の間では、2度と触りたくないストーブなどと酷評されるほど、芯交換が困難です。すでに廃盤なため純正芯が手に入らず汎用芯で代用しますが、専用につくられたものでないので非常に装着しづらいのです。おまけに専用の新交換手順の説明書がわかりづらい…まあ数年に一度の作業ですから、それを差し引いてもなかなか良いストーブです。全体に小ぶりで背が低く安定感がありますし、反射式よりも暖かく、「ストーブで煮炊き」を主目的にする人にはオススメのストーブです。

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アラジンストーブの修理
ストーブ修理の実例、第3弾です。去年の年末に承ったアラジンストーブですが、これは手強かったです。

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タンクに灯油を入れたまま倉庫で10年放置。使ってみようかなと思って取り出したものの、レバーを回しても芯が全く動かないという状態です。古い灯油を入れたままの状態で長期間置いておくと、いわゆる芯と筒の固着が起きます。一番右の写真のように芯と金属部分がべったりとくっついたまま取れなくなってしまう現象です。


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特殊な溶剤で固まった油を溶かしてから、専用のナイフで物理的に剥がしていきます。ここでかなりの時間を要します。力任せに剥がすと筒が歪みますので慎重に…

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左が新品の芯、右が固着していた芯。真っ黒です。


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芯の繊維がこびりついているので、ヤスリをかけます。

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左の写真の茶色い液体はタンク内の古い灯油です。新しい灯油を入れて何度も洗浄します。右側の写真、下から1回目、2回目、3回目、4回目でやっと無色透明の灯油になります。



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ブラシでタンク内を丁寧に洗います。ちなみに今回はタンク内から写真上のような物体が出てきました。給油ポンプの先っちょです。タンク内への異物混入は案外多いです。皆さんも気をつけましょう。


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そのほかのパーツも全部バラして洗剤で丁寧に洗い、丁寧に乾かします。


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白っぽくなったマイカも新品に交換。


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芯も新品に交換。


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こんなに綺麗になります。


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全部組み立てて終了。完全燃焼です。



芯が上がらすにっちもさっちもいかない、という場合でも諦めずご相談ください。アラジンストーブはいままで長く使われてきただけあって非常に合理的に作られています。きちんとメンテナンスすれば末長くお使いいただけます。

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石油ストーブ修理の実例、その2。
ここ数日暖かな日がつづきましたので、石油ストーブのことなどすっかりお忘れのかたも多いかもしれませんが…ぜひ小春日和のうちにお手入れをしておきましょう。


先日、整備を承りましたアラジンストーブについて記載しておきたいと思います。実物は初めてお目にかかります、アラジンストーブのブラックです。2004年製だったのでこれでもすでに12年前の物になるんですね。このストーブは、通常のアラジンストーブ(アイボリーとグリーン)とは筒の形状が異なります。丸いマイカでなくてガラス筒になっています。360度どこからでも青い炎が見えるタイプです。

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点火すると部分的に炎がオレンジになる状態です。芯が消耗しているので新しい芯に交換が必要です。芯の交換だけならアラジンのHPにも詳しく載ってますし、通販で購入できる替え芯16LPにも交換方法の説明書が入っています。手先が器用な方ならご自分でなさっても良いと思います。ただしその際は必ず芯交換とともに芯回りのお掃除もしてくださいね。

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一見綺麗に見えるこのストーブでも中にはこんなに埃が(写真左)アラジンストーブは対流式のストーブなので空気を下から吸い込んで上に吹き出すように対流させます。その時にどうしても埃を吸い込んでしまいますので埃のお掃除は必須です。オレンジの火が出ている時点で、このように煤も出ています。(写真右)

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ここで問題になるのが、以前のアラジンストーブにはついていなかった排ガス浄化触媒。通常、天板を取ると筒の中が空洞になっているのですが、このストーブに関しては触媒部分が邪魔になり中が見えません。お掃除する場合もこれを外さねばなりません。日常のお手入れには効率的ではありませんね。

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触媒を外してやっと筒の中が見えます。底の淵に埃がたっぷり溜まっています。ガラス筒を外した状態が右側。埃と動物の毛ですね。どんなに綺麗にお掃除をしているご家庭でもワンコやニャンコがいると抜け毛が溜まりやすくなります。ペットを飼っているアラジンストーブユーザーのかたは特に定期的なお掃除を心がけるようにしてください。

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今回も全部部品を外して洗剤で綺麗に洗います。

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タンク内も綺麗な灯油で洗います。今回のストーブは綺麗に使ってありましたが、それでもタンク内にはこれだけゴミが混入しています。たったこれくらい、と思うかもしれませんが、青い炎の中にパチパチっとオレンジの火花が散るように燃えるのはこのようなゴミが原因で芯が傷みます。

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再び組み立て、新しい芯をつけて、右側が正常燃焼。


全体的な感想として、このタイプはお掃除がしづらいです。あちこち部品を外さないと埃が取りづらいので一般家庭での日常のお手入れとしては少し難しいのではないかと思いました。手に負えなければ定期的に専門業者にお願いしたほうがいいと思います…
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石油ストーブ修理の実例、その1。
石油ストーブの修理や整備は規格がないので、やり方もひとそれぞれ、どの辺りまで綺麗にするかも業者によって判断は分かれると思います。よって先日修理で承りましたアラジンストーブの38型を例に取り、弊店でのストーブ整備についてご説明したいと思います。

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お預かりした時の状態が、これ。ハンドルが壊れて芯が上がらないので点火も不可能。内部には煤も付着。持ち主の方はまず、大手家電量販店へ連絡したところ、メーカー修理になるといわれて預けたそうなのですが、結果メーカーが修理不可能でそのまま戻ってきたということでした。

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ハンドルが空回りするのは内部のプラスチック部品が割れているからなのですが、これと同じ38型の部品は現在製造されていません。現行品の39型の部品で代替すれば済む話なのですが、メーカーは改造に当たるとして拒否したのかもしれませんね。ちなみに、このプラスチックの経年劣化による破損は38型のみに顕著に見られるもので、37型などそれ以前のものは同じプラスチックでもこのようなハンドル欠損の事例はほとんど見られません。これは38型から必須になった耐震消火装置の負荷による影響だと思われます。また39型の部品には内部に金属が入っているので耐久性が上がっています。

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芯回りも黒く汚れています。マイカも傷んで中が見えづらい状態。肝心の芯は、古くなって黄色くなった灯油をむっちり吸い込んでいます。

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分解して外せる部品は全部外して業務用の洗剤で綺麗に洗います。埃の詰まりやすい通気孔も綺麗にブラシで洗います。

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タンク内は水を入れてしまうと完全に乾かすことが不可能なため、灯油で洗います。綺麗な灯油を入れて専用の蛇腹のブラシでゴシゴシ洗います。で、中から出てきた汚れが右の写真。この黒いカスのようなものが詰まって綺麗な燃焼を妨げます。補足ですが、マンションのベランダに給油ポンプをさしたまま保管している灯油タンクには雨水が混入している可能性があります。灯油は屋内保管、シーズンオフになったら残りは廃棄するか全部使い切りましょう。

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よくよく見ていただくとわかりますが、澄んだ灯油の底に黒っぽく溜まっているものが水です。長年使っていないストーブが正常燃焼しないという場合は大抵、タンク内の水が原因です。溜まっているゴミが出なくなるまで繰り返しタンク内を洗います。(ご自分でやってみようと思う方、汚れた灯油は流しに捨てたりせずタンクに貯めてガソリンスタンドに引き取ってもらうようにしてください)

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アラジンのこの隙間を掃除するために作ってもらった工具で綺麗に拭き上げます。


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左整備前、右整備後。煤が取れるとすっきりピカピカ。

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おなじく左整備前、右整備後。芯は新しいものにつけ変えます。

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ハンドルは39型の部品を装着して、マイカは新しいものに入れ替えます。

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これで出来上がり。正常燃焼です。


今回のアラジン38型の修理および整備の場合、料金は8900円です。基本の整備料とハンドル部品、マイカ2枚、芯の料金を含めての合計になります。どうぞご参考くださいませ…


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